何十年にもわたり、多くの電力会社やインフラ企業は、自社で450 MHz帯のCDMAやGPRSネットワークを構築・運用し、
- スマートメーターの自動検針(AMR)
- 地下設備の通信
といった用途に利用してきました。
450 MHz帯は、建物内部や地下設備など遮蔽の強い環境でも通信性能を維持しやすいという特長があります。
なぜLTE 450なのか? 5GではなくLTEが選ばれる理由
近年、こうしたネットワークの多くがLTEに移行し、新たな450 MHzネットワークは初めからLTEベースで構築されています。
その理由は、LTEが持つ以下のような**「成熟した技術」**としての強みです。
対応製品の充実
- LTEは15年以上の実績がある
- 豊富なモジュール、アンテナ、基地局が市場に揃っている
- Band 31 / 72 / 73(LTE 450帯)は3GPPで正式標準化済
高出力による広域カバレッジ
- 450 MHz帯では26 dBmまでの送信が可能(他の帯域は23 dBm)
- より広範囲・高信頼の通信を実現し、ミッションクリティカル用途に最適
RedCapやLTE-Mなどの低消費型規格にも対応
- 主要モジュールベンダー(例:Telit, ublox, etc.)は450 MHz対応製品をラインナップ
- 2024年にはGCF(Global Certification Forum)によるRedCap/LTE-Mの450 MHz帯対応製品の認証も開始
LTEはまだ終わらない:低コスト・長寿命が選ばれる理由
LTEは長年にわたる普及により、デバイス価格も大幅に低下しています。
これは、スマートグリッドやスマートシティといったコスト重視のアプリケーションにとって非常に重要です。
さらに、450 MHzネットワークは少ない基地局で広範囲をカバーできるため、
- CAPEX(設備投資)
- OPEX(運用コスト)
も大幅に抑えることができます。
例:フィンランド全土(約30万 km²)を、わずか数百の基地局でカバーするUkko MobileのLTE 450ネットワーク
今後も継続するLTE 450市場
多くのモバイル通信事業者は5Gへの移行を進めながらも、
既存のLTE IoTデバイスを抱える法人顧客へのサポートを継続しています。
- 数百万台規模のLTEデバイスがすでに現場で稼働中
- 置き換えにビジネス上の理由がない限り、5Gへ移行する必要がない
- そのためベンダーも今後数年にわたりLTE(含む450 MHz)製品を提供継続
450 MHzは、70カ国以上で周波数割り当てが確保されており、
他のLTE帯域(900 MHz以上)とは異なり、公共モバイル網との干渉リスクが低いことも利点です。
最適なアンテナ選びが成功の鍵
Taoglasでは、450 MHz帯に対応した15種類以上のアンテナを提供しています。
以下は代表的な製品です。
- 2×2 MIMO対応の屋外用高耐久ダイポールアンテナ
- LTE 450含む4G/5Gサブ6GHz全バンド対応(Band 31含む)
- クロスポラライズド設計により、安定したスループットを実現
- 超広帯域5G/4Gダイポールアンテナ(450 MHz〜4.2 GHz)
- 5G NR Cバンド(3.3〜4.2 GHz)に最適化
- 高効率でルーターや端末向けに最適
まとめ:低周波の力で、広域・高信頼通信を実現
特長 |
内容 |
長距離通信 |
450 MHzの特性により都市全体や広大な施設もカバー可能 |
コスト効率 |
少ない基地局で広域カバー=設備・運用コスト削減 |
ミッションクリティカル |
高出力(26 dBm)・高信頼通信が可能 |
継続性 |
世界中で30以上のLTE 450ネットワークが稼働中 |