イーサネットネットワークを構築したことがある方なら、Cat5(カテゴリー5)やCat6(カテゴリー6)という用語を目にしたことがあるはずです。これらのケーブルは似ているようで、それぞれ異なる性能と目的を持っています。そして、それらのケーブルをルーターやスイッチ、PCなどのデバイスに接続するために使われるのがRJ45コネクタです。
では、Cat5とCat6の違いとは何か?
そしてそれにRJ45コネクタはどう関係するのでしょうか?わかりやすく解説します。
Cat5とCat6の違いとは?
まず前提として、Cat5もCat6もイーサネット通信を行うためのLANケーブルです。「Cat」は「カテゴリー(Category)」の略で、ケーブルの性能規格を示しています。
Cat5ケーブル
- 比較的古い規格で、既存のネットワークや小規模な環境で使用されることが多い
- 最大通信速度:100Mbps
- 帯域幅:100MHz
- インターネット閲覧や軽いネットワーク利用には十分だが、高速通信には不向き
Cat6ケーブル
- 新しい世代の規格で、より高い通信速度と帯域をサポート
- 最大通信速度:10Gbps(短距離)、1Gbps(長距離)
- 帯域幅:250MHz
- ストリーミング、オンラインゲーム、大容量データ転送など高負荷な用途に適した性能
結論:Cat6はCat5よりも高性能で、将来のネットワーク需要にも対応しやすいケーブルです。
RJ45コネクタはどこに関係してくるの?
RJ45コネクタは、Cat5およびCat6ケーブルをルーターやスイッチ、コンピューターに接続するための標準的なコネクタです。
Cat5とCat6は、どちらも同じRJ45コネクタを使用できます。
これは非常に重要なポイントで、異なる種類のケーブルを使っても、RJ45コネクタの形状やサイズは変わらないため、互換性に優れています。
ただし、内部構造や配線の処理方法(終端処理)には違いがあります。Cat6ケーブルはツイストがより密で、シールド(遮蔽)構造がある場合が多く、クロストーク(信号干渉)を防止する設計になっています。
ツイストペア構造の違い
両方のケーブルには4対(8本)のツイストペア線が含まれており、これがデータの送受信を担います。
- Cat5:基本的なツイストペア構造で、日常使用には十分
- Cat6:より高密度にツイストされており、干渉への耐性が高く、信号伝送の精度も向上しています
そのため、混雑したオフィスや工場のような干渉が多い環境でもCat6は安定した通信が可能です。
常にCat6がベストな選択肢か?
実は、必ずしもそうとは限りません。
- ホームネットワークやインターネット速度がそれほど高速でない環境では、Cat5で十分対応できます。
- 一方、将来のアップグレードを見据えて高性能を求める場合や、複数デバイスの同時接続、4K動画配信、クラウド作業が多い環境では、Cat6のほうが最適です。
実用的には、環境に応じてCat5とCat6を併用することも可能です。
モジュラージャックとの関係性
RJ45コネクタは、プロフェッショナルの現場では「モジュラージャック」と呼ばれることもあります。どちらの呼称も、Cat5/Cat6ケーブルをデバイスに接続するための標準的な端子を意味しています。
そして、モジュラージャックもRJ45規格で統一されているため、Cat5・Cat6のどちらのケーブルでも使用できます。
まとめ:RJ45は両者をつなぐ共通項
RJ45コネクタは、Cat5とCat6のどちらにも対応可能な標準コネクタであり、ネットワーク機器間の接続をスムーズにするキーパーツです。
- Cat6は、速度・帯域・ノイズ耐性でCat5よりも優れており、高性能なネットワーク構築に最適
- Cat5は、小規模ネットワークや低コスト環境において依然有用
最終的な選択は、ネットワークの規模・用途・将来の拡張性に応じて決めるのがベストです。
どちらを選んでも、RJ45コネクタは共通インターフェースとして機能し、安定した通信を支えます。