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どれが最適?RF技術を選定するためのクラッシュコース

Navigating RF Technologies

ワイヤレスデバイスの設計において確かなことが2つあります。1つは「次の新技術はすぐそこまで来ている」ということ。もう1つは「それにより、最適な技術を選ぶのがこれまで以上に難しくなる」ということです。

この課題の背景には、“FOMO 「Fear Of Missing Out」(見逃しへの恐怖)”があります。つまり、競争優位性をもたらし、新しいユースケースを可能にし、市場の主流となる可能性のある技術を取り逃すのではないかという不安です。そしてそれは、“YOLO 「You Only Live Once」 (一度きりのチャンス)”という考えにもつながります。つまり、デバイスにとっても一度限りの設計ということです。もしその新技術が「次のビッグウェーブ」になった場合、既にフィールドに展開したデバイスすべてをアップグレードするのは、現実的には不可能です。新しいSKUでモジュールやアンテナを追加することはできますが、再設計にはコストも時間もかかります。

ここでは、FOMOとYOLOの罠に陥ることなく、最終ユーザーやビジネスに価値をもたらさない技術を排除するための考え方をご紹介します。

少ない方が、むしろ良い

まず、組み込みアンテナを搭載したデバイスを例に取ってみましょう。これらはPCBをグラウンドプレーンとして利用しています。セルラー、GNSS、Bluetooth、Wi-Fiなど、どのRF技術を選ぶかによって、対応すべき周波数帯が決まり、結果として必要なグラウンドプレーンのサイズも決まります(詳細は「PCB設計でアンテナ性能とアプリケーション性能を最大化するためのポイント」を参照)。

対応するRF技術が多くなるほど、グラウンドプレーンを十分に確保しつつ、フォームファクターを満たすPCB設計は難しくなります。特にウェアラブルやトラッカーのような小型デバイスでは顕著です。この結果、PCBやデバイス自体を再設計する必要が出てきたり、市販アンテナでは性能要件を満たせず、カスタムアンテナへの変更を余儀なくされることもあります。これらはすべて、開発コストや市場投入の遅延につながります。

こうした問題を避けるには、複数の技術を1つで代替できるかどうかを検討するのが有効です。たとえば、産業用IoT(IIoT)デバイスでは、4Gや5Gの通信が利用可能な環境であれば、Wi-Fiは不要かもしれません。実際、多くの工場では、セキュリティや移動機器(AGVなど)対応の理由で、Wi-Fiやイーサネットからプライベート4G/5Gネットワークへの移行が進んでいます。

こうしたユースケースにおいては、HaLowやWi-Fi 7のような最新Wi-Fi技術は、無駄になることもあります。Wi-Fiを排除することで、PCBスペースの確保が容易になり、設計やコスト面での余裕も生まれます。

スピードは本当に必要?

もう一つの落とし穴は、「速度」にこだわりすぎることです。クルマと同じように、200km/hで走れる車を買っても、制限速度の中ではその性能を発揮する機会はほとんどありません。

たとえば、5Gではミリ波帯が導入され、最大20Gbpsという従来の周波数では実現できなかった高速通信が可能になりました。6Gではテラヘルツ帯を活用して100Gbpsを目指し、新しいユースケース(センシング統合など)も期待されています(詳細は「6Gとは?」を参照)。

しかし、顧客のユースケースがそこまでの速度を必要としない場合、mmWave 5Gや6Gの導入は費用対効果が合わないかもしれません。サブ6GHz 5Gは、実装コストが低く、多くのIoTノードやウェアラブルデバイスにとっては十分すぎるほど高速です。

一方で、**カバレッジ(エリアの広さ)**が重視される場合には、4Gが依然としてベストチョイスになり得ます。2025年5月時点で、世界のLTEネットワーク数は5Gの2倍存在します。また、LTEは「Long Term Evolution」の名の通り、3GPP Release 13でNB-IoTを追加し、Release 14ではその機能をさらに強化するなど、今なお進化しています(詳細は「IoTアプリケーションに適したLTE標準の選び方」を参照)。

特にLTE Cat 1 bisは、長寿命バッテリーとグローバルカバレッジが求められるIoT用途に最適です。Cat 1 bisは、LTE-MのようにRANやコアネットワークの変更を必要とせず、すべてのLTEネットワークに接続可能です(もちろん、規制およびキャリア認証要件の順守が必要)。また、必要なアンテナが1本で済むため、設計の複雑さやコストも削減できます(詳細は「LTE Cat 1 bisとは:IoTの未来を担う通信技術」を参照)。

今ある技術が、未来にあるとは限らない

RFの世界では、多くの技術が「次のブレイクスルー」と期待されながら、最終的には市場シェアを獲得できずに終わる例があります。代表的なのがWiMAXです。モバイルブロードバンドやスマートメーター用途で注目されたものの、LTEが主流となり淘汰されました。

WiMAXの例が示す通り、新興技術が、既に世界的な支配力を持つ技術ファミリー(例:GSM→UMTS→LTE)に取って代わるのは非常に困難です。実際、CDMA陣営も最終的にはLTEへ移行し、SprintはWiMAXネットワークを構築した後に撤退しました。

同様に、モジュールベンダーも常に製品ポートフォリオを見直し、継続すべき技術・EOLすべき技術を選定しています。たとえば、2025年初頭には大手モジュールベンダーの1社が、セルラーおよびセルラー+衛星事業を売却しています。

Taoglasは、RF技術選定のパートナー

Taoglasでは、多種多様なモジュールベンダーや通信技術と連携しています。そのため、デバイスOEMやシステムインテグレーターは、Taoglasの技術的知見と市場理解を活用することで、最適な技術選定とコスト削減が可能です。

RF設計における複雑さを回避し、スムーズな製品開発を実現したい方は、ぜひ下記のリンクから当社のエンジニアリングチームにご相談ください。

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